桜の木が切られる。

うちの自治会内にある桜が全て伐採されることに決まった。自治会の総会で無記名投票したところ殆どが伐採希望で、反対票は数表だったらしい。私の家は母が参加していて母も伐採に賛成票を投じたらしい。

色々と伐採を希望する理由もあるのですが、とても残念です。今年の桜が散ったら・・・と口々に言うのでちょっと理不尽な感じがして、可愛そうです。身勝手な感じがします。

何十年も経っているのでとても幹が太くなってます。「植えたときには指の太さぐらいだったから、考えずに狭い間隔で植えたんだろう・・・」といっていた人が居ました。狭い間隔で植えたので密集してとても綺麗です。

毛虫が出るから。
消毒を頼む資金がどこからも出なくなった。
落ち葉の掃除が大変だから。
今なら伐採するのに自治会と、グリーンベルト（？）緑地帯扱いで植えた企業が折半で資金を出し合うことに企業側が同意したから。
・・・きっと私が知らない理由がたくさんあるのでしょうね。

でもハラハラと桜が散り始め、
朝夕、毎日桜の木を眺めるたびに、何と言っていいのかわからないような気持ちになります。

淋しいような悲しいような・・・。
逃げられる物なら逃がしてやりたい・・・そんな気持ち。

どうにかできないかと庭師をしている友達に相談してみた、
「桜は地面を堺に鏡に映したように根が張っているらしいので地上が大きいのなら植え替えるときにどうしても根を切ってしまうことになる。根を切ると桜は駄目になりやすい。ゆっくり苦しんで死んでいくなら、ばっさりやってくれるほうが桜もいいんじゃないか？」との答え。

そうなんだ。
知らなかった。
それから水に映り込むように地上を境目にして映った桜を想像してみる。
余計に悲しい。

関係ないのに思い出した。
「桜の下には死体がある」

上の枝と同じように根が張っていたら桜の下に死体を埋めるのは難しいのではないだろうか・・・。

桜に話しかけたい気分。
春は怪しい人が多くなる。私もそのヒトリです。

桜にテレパシーって伝わらないかな？これだけ並んでいるから一本ぐらいは私の声が聞こえないだろうか・・・。

「ねぇ、どうしてほしい？」